顎関節症の予防としては顎関節症になる生活習慣で挙げた事を避ければよいのですが、ここでは予防するためのヒントとしてもう少し具体的に説明したいと思います。
ブラキシズムの対策
噛みしめは何かに集中して作業しているときやストレスがかかったときに、グッと噛みしめるクセです。これを直すにはガムを噛むなど口を絶えず動かすような状況にすることが一つの手です。これだけで噛みしめるクセはかなり意識できるようになります。
職場などでガムを噛むことが難しい場合は、付せんなどに「アゴ」とか「噛みしめない」と書いて目に見える場所に貼っておくとよいでしょう。
ここに挙げたのは一例で、要は噛みしめるクセに気づくような工夫を生活の中で取り入れてください。
一方の歯ぎしりは、寝ている場合に起こるのでやっかいです。
毎日歯ぎしりがある場合、まずはマウスピースをして歯やアゴを保護することをオススメします。だたし、これはあくまで暫定対策であって根本的に歯ぎしりを解消するものではありません。
根本的な解決はストレスを取り除くことです。完全に取り除くことは無理でも、できるだけ少なくするように工夫することが必要になってきます。
ストレスが過剰な人は、大抵は自律神経もかなり参っている場合が多いので自律神経のケア(腹式呼吸・軽い運動・カフェインと減らす・糖質を減らす・良質の脂肪を多めに摂る)といったことに取り組んでみて下さい。自律神経のケアについては別の記事を用意する予定ですので、それを参考にしていただければと思います。
あとは物事に対する考え方を変えることも大切です。例えば被害妄想や他力本願といった思考パターンはストレスをためやすいです。そういう思考に陥っていないかを日頃からよくチェックしましょう。
猫背姿勢の対策
姿勢の基本はアゴを引いて天井からつり下げられている意識をもつことがコツです。
ただし、軍隊のように極端に胸を張った緊張した姿勢をとってはいけません。胸は張らない、背中は反らせない、という点にも注意する必要があります。あくまで上に伸びるイメージが大切です。また、ヘソのあたりに軽く力を入れて腹圧を高めることも重要です。
自分で自分の姿勢は良くわからないことが多いので、一度は専門家に見てもらうことをオススメします。
当院でも姿勢の指導を行っているので気になる方はご連絡ください。
頬杖や横向きで寝るクセの対策
頬杖はアゴが前に出ているからやってしまう体勢です。ですから、姿勢を変えれば自動的にやらなくなります。
猫背姿勢の対策と同じでアゴを引いて天井から引っぱられている意識を持ちましょう。また、机に向かうときに前のめりになるクセがないかも要チェックです。
横向きで寝ることはそれ自体は悪くありません。
枕を使ってアゴに頭の重さが集中して乗らないように気をつければOKです。頭の重さを耳より上で支えるようにしましょう。特に自分の腕を枕にする場合は、必ず耳より上に腕を置いてください。耳より下だと大抵はアゴで頭の重さを支えることになります。
編咀嚼の対策
まずは、噛み合わせが極端に悪かったり、虫歯があるといった両方の歯を使えない状況を治療することが先決です。
もし、そういった問題が無く、単なるクセの場合に取り組むことは、食べるときに噛むという行為をよく意識することです。ゆっくり味わって食べるようにすれば、噛むという行為にも意識がいくようになると思います。早食いや、ながら食いはクセが直るまではやめましょうね。
普段の何気ないクセが積もり積もっていつのまにか顎関節症を招きます。アゴの調子が気になる方はここで書いたことを気にして生活するように頑張ってみてください。
もし気になることや疑問点があればお気軽にお問い合わせくださいね。
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